2024年3月22日、福岡大学にて2024年度LET九州・沖縄支部学術講演会を開催しました。本講演会では、大分大学の朝美淑子先生を講師にお迎えし、防災と英語教育の関わりについてご講演いただきました。
現在、日本に長期滞在する外国人の数は増加傾向にあります。さらに、インバウンド需要の高まりにより訪日外国人観光客も増加する中、災害が発生した際に的確な情報を伝え、適切な行動を促すことがますます重要になっています。朝美先生は、そうした状況に備えるための対策について、英語教育の視点からお話しくださいました。
講演は、英語による防災教育の重要性についての説明から始まりました。災害時に日本語が流暢でない人々に状況を簡潔に伝え、適切な行動を促すことが求められます。しかし、そのためには、まず情報を発信する側が、自分の住む地域や職場でどのような災害が発生しうるのか、避難場所はどこか、備蓄品はどの程度用意されているのかを正しく理解しておくことが不可欠であると指摘されました。また、自分が外国で被災した場合を想像し、どのような行動をとるかを考えることで、外国人にとって必要な情報を予測し、どのように伝えるべきかを準備できることが強調されました。
さらに、災害発生時に実際に必要となる表現が紹介され、まず「避難して」といった基本的な指示を英語で伝えられることの重要性が示されました。また、避難場所の設備やルールを英語で説明できるかどうかについても考える機会が提供されました。誰もが対応できるようにするため、防災英語を英語教育に取り入れる意義について説明があり、実際の授業で活用できるアプローチが具体的な事例を交えて紹介されました。
加えて、朝美先生が担当されているゼミのプロジェクトとして、外国人が必要な情報を母国語で取得できるウェブページの構築についてもご紹介いただきました。
講演会の最後には、グループディスカッションの時間が設けられました。参加者は、災害時に外国人に必要な英単語や表現について意見を出し合い、地域における防災英語教育のあり方について議論しました。活発な意見交換が行われ、有意義な講演会となりました。
